悪女の恋〜偽りの結婚〜

　缶チューハイを１本開けたが、ちっとも酔った気がしなかった。


　普段の俺はアルコールに弱く、缶チューハイ１本で、いやおそらく半分で、顔が真っ赤になってしまうほどだ。


　ところが今日はどうしたことか、１本開けても酔った気がせず、更にもう１本の缶チューハイを開けた。今度はライム味だ。


　さすがに２本目を飲み干した頃には酔いが回り、目の前がグラグラしていた。だが、そんな頭からも結衣の淫らな顔が消える事はなく、茶髪男の薄ら笑いがチラついた。


クソッ！


　俺は３本目の缶チューハイも開けた。今度の味は……知るもんか！

　味も何も分からないただの液体を、俺は無理やり喉に流し込んだ。そして、俺は意識を手放していった……