悪女の恋〜偽りの結婚〜
「あたし、孝司に浮気されてカッとなっちゃって……」


「だから、あれは誤解だって言ったろ?」


「あ、そうだったね、ごめん」


 こいつ、俺の話を信じてねえな?


「それでね、前からあたしに言い寄ってた営業の人と付き合っちゃったの。でもね、半年付き合ってみて、やっぱりあたしには孝司が合うんだって、気が付いたの」


 半年? じゃあ俺と別れてすぐそいつと付き合った、って事かよ?


「その人とはきれいに別れたから、何も心配しないで? ね?」


「あ、ああ」


 遥って、こんな軽い女だったのか……

 俺はこの遥という女を、ちゃんと見てなかったのかもしれない。そう言えば、出会いは合コンで、俺は片岡に誘われて嫌々参加したのだが、遥は合コンのプロって言われてたらしいしな。


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