悪女の恋〜偽りの結婚〜
「社長令嬢と結婚出来たなんて、すごいじゃん?」


 遥が俺の説明を聞いての第一声はそれだった。復讐のために結衣と結婚したと言ったのに、食いつくのはそこかよ?


「何だかんだで、逆玉に乗ったってことね?」


「はあ? 何言ってんだよ? 俺はそんなの興味ねえよ」


「うそばっかり……。お金に興味ない人なんて、いるわけないじゃん」


 そうだろうか……。俺だって金は欲しい。金の大切さは骨身に染みている。しかし、金は自分で稼ぐものだと思ってる。他人の金なんか、当てにする気は全く起こらない。俺は変わってるんだろうか……


「ねえ、孝司。何ならあたしを愛人にしない?」


 急に遥が妙な事を口走った。


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