仕事上手(？)で恋愛下手(！)

私は何のことか分からず黙ってグラスのワインを飲んでいた。

「じゃぁ、あたし洋服貸してあげるよ。」

っと千寿ちゃんが言ってくれた。

「ありがとう。千寿ちゃん助かる!!!」

単純に喜んでいると、奈南が呆れた顔をして、

「あのね花菜。由紀ちゃんはそういう状況で手を出す
人物なのか見極めたくて花菜に協力するんだと思うよ。」

奈南の言うことがいまいち分からず、首を傾げながら

「じゃぁ千寿ちゃんは？」

「…。」

「悪乗り。」

弱冠の沈黙の後、見事に三人の声がダブって聞こえた。

「そんだけ可愛い花菜ちゃんになっても
手を出さなかったら由紀にもチャンスがあるかもしれないじゃない？」

何だか違うような…。という思いは由紀ちゃん以外の三人は
絶対に感じていただろう。