仕事上手(?)で恋愛下手(!)
なんて、やんわり伝えると、
その人は私の方を見て優しく微笑って

「気ぃ使ってくれてありがとう。

じゃ最後にひとつだけ。
消防署に電話するなら
明日が良いかも。」

と言って、立ち上がった。

「ごめん。最後って言ったのに。
名前教えてもらってもいい?」

不意にギュッと腕を掴まれて、
私はドキドキしてしまった。
でも、なんとか…

「私は西村花菜で、
隣が門崎奈南です。」

その人は手を放して、

「また会えるかもね。
花菜さん。」

と言いながら席に戻って行った。

(爽やかな人だなぁ。。。)

「ねぇ。花菜。カッコ良い人
だったね。」

ビールを辞めて、キールロワイヤル
(※白ワインにフランボワーズリキュールを入れたピンク色のワインカクテル)に
手を出した奈南が私の肩を
ツンとつつきながら言ってきた。

「ホント。カッコよくて、
親切な人だったね。
きっとモテるだろうね。
私なんかにも優しいんだもん。」

そう、答えると

「あちゃー。本当にニブ子だね、
花菜。」

っとガッカリしたように奈南が言った。
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