仕事上手(?)で恋愛下手(!)
大きなため息を付いて
その日一日中げっそりしていたのは
言う間でもなかった。

今日は月曜日ということもあって
何かと忙しくて、またすぐに
夕方になってしまった。

「奈南。
明日、アサイチ役所だから申請書
溜まってたら出しといてね。」

夕方帰る前に奈南に声を掛けた。
今日、初めてまともに交わした
会話だった。

「了解。例の由希ちゃんに
紹介された患者さんの件で
相談に行くんだっけ?」

書類の山に埋もれた奈南が顔を
上げた。

「そう。絢子さん。
物忘れ進行してなきゃ良いんだけど。」

「そっかぁ。頑張ってね。

…そうそう。申請書だったよね。
い~っぱい溜まってたんだ。
高額医療費に減額申請でしょ…
それと…。」

ごそごそと探し出す奈南を見て
思わず

「溜まったねぇ。」

っと同情たっぷりに言った。
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