仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「あれ。花菜ちゃん?」

(えっ?)

主任の腕から顔を離すと
見覚えのある顔が私の目の前にあった。

「ゆ、由紀ちゃん。」

(と、陽希君…?)

コートを着た由紀ちゃんの隣りに陽希君がいた。

頭の中は疑問符だらけだった。
きっとお互いにそう思ったのかも知れない。

お店の奥にあるカウンターにいたから
気が付かなかったけど、ちょうど私達の死角になるテーブル席に
由紀ちゃん達はいた様子だった。

驚いている私に由紀ちゃんが近付いてきて言った。

「由紀。バス無くなっちゃうから
もう帰るんだよ。

高羽さんはまだ佐藤さんと飲んでるってさ。
あと、私の派遣仲間もいるんだけど、
あの子たちギャルだから、
高羽さんのタイプじゃないと思うよ。

もうね、一緒に飲んでても高羽さんと共通の話題って
花菜ちゃんしかないからさ、由紀、かなりアゲといたよ。
今度何か奢ってね!!!」


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