仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「花菜さんも、この店にいたんだね。
全然分からなかった。」

そう話す陽希君は何となく罰の悪そうな顔をしていた。

そんな微妙な空気を打ち破ってくれたのは
主任だった。

「おい西村、その顔どうにかしろ。」

っと私に向けて新しいお絞りを投げてきたのだ。
鼻も目も思い切り拭いていると

「青のSUV君だろ?」

っと陽希君に聞こえないほど小さな
声で言ってきて、
陽希君に向かって

「おれは、西村の上司の
篠山と言います。こいつが入職してから
五年面倒見てます。
あなたは確か、こないだ病院の
設備点検に来て頂いた方…でしたっけ?」

対外的な挨拶は本当に上手だと
感心してしまった。

「その節はお世話になりました。
高羽陽希と申します。
ご挨拶が遅くなってすみません。」

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