仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「…さん。花菜さん。
起きて。」

「…へ。は~い。起きますよ~。」

(…て。ここどこだ?)

と思った次の瞬間飛び起きてしまった。
私は少し眠っていたようだった。

「ここ…どこ…???」

薄暗い闇の中、私の視界に陽希君が入ってきた。

「花菜さん。ごめん。
自宅に送ろうと思ったんだけど
寝ちゃった花菜さん起こすの可哀そうで
俺のアパート連れてきちゃった。
もちろん、少し休んだら送ってくよ。」

陽希君の表情は曇っていた。
なんでか分からなかったけど、その表情がやけに気になったので
言った。

「陽希君、
どうしてそんなに苦しそうな顔をしているの…?」

気が付けば無意識に彼の頬に手を伸ばしていた。

すると次の瞬間には彼の腕の中にいた。
凄く強い力で私の身体を自分の方へ引き寄せたのだ。

「花菜さん。
俺、花菜さんに触れたい。
酔った女の子に手を出すのが最低だって、
分かってるけど、触れたくて堪らないんだ。」
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