仕事上手(?)で恋愛下手(!)
そして救急車が到着した。

私が声を掛ける隙などなく
騒然とした空気の中
絢子さんは処置室へ運ばれていった。
彼女を処置室まで運んでくれたのは陽希君だった。

そして処置室から出て来た後
ベンチで座っていた私に
声を掛けてくれた。

「大丈夫みたいだよ。
残念ながら足の骨は
折れてるだろうけど
意識はしっかりあるし、
火傷もほとんどないよ。
髪の毛は後ろの方がちょっと
チリチリになっちゃって可哀想だけど。」

陽希君に優しく声を掛けられ、
抑えていた気持ちがこみ上げて
きてしまった。

「絢子さん…。
良かった・・・。本当に良かった・・・。」

呟くように私は言った。
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