仕事上手(?)で恋愛下手(!)
2人だけのエレベーターで、かなり緊張して固まっていると、

「なんか、良い匂いしますね。
花菜さん、香水何使ってますか?」

なんて言いながら、一歩近づいたような気がした。

(近い。近いよ~。わざと!?)

なんて内心動揺しまくりだったけど、平静を装って

「私、職業柄あまり勤務中に香水は付けないんです。
だから、もしかするとハンドクリームかも。」

っと、手をグーにして高羽さんに近付けた。

すると軽く匂いを感じたのか、

「これ、これ。
すごく良い匂いですね。」

っとまた誉めてくれた。

実は、このハンドクリームは私も大のお気に入りのもの。

質が良いだけじゃなくて、時間と共に香りが変化していく、
香水みたいな感覚のハンドクリームなのだ。
海外メーカーだから付けすぎるとクサけど好んで使っていた。

「さっきからたくさん誉めて頂いてありがとうございます。

ここからは、仕事でも誉めてもらえるように
しっかりご案内しますね。」

っと私は高羽さんに向かって、軽く微笑ってエレベーターを降りた。

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