仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「じゃぁ、信治にもあげるから
値引きして甘いワイン出してよ。」

奈南がおねだりすると、
信治君は店のワインセラーじゃない
場所へワインを取りに行った。

「凄いだろ、貴腐ワイン。
しかも国産!!こないだ試しに
仕入れてみたんだ。」

興奮気味に話す信治君とは
対照的に奈南は冷めた目で
ワインを見ていた。

「えぇ~高そう!
美味しいの?」

疑うような表情の奈南に

「じゃぁ、2000円でいいよ。」

慎治君は負けてしまったようだった。

「やったぁ。」
奈南はニンマリと微笑んでいた。
彼女の完璧な作戦勝ちだった。

私だって国産の貴腐ワインが
この値段で飲めるはずがないのは
勿論知っていた。

「信治君。それで良いの?」

思わず言ってしまった。
< 230 / 365 >

この作品をシェア

pagetop