仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「陽希君。
私、陽希君の仕事を尊敬してるよ。
誰にだって出来る仕事じゃないし、
…。
なんか違うな。こんなことが言いたいんじゃなくて…。

どうか頑張り過ぎないでね。
自分の心に厳しくしないで、
疲れた時は休んだり、吐きだしたりしてね…。」

そう言って、またワインを飲んでいると

「ありがとう。花菜さん。」

陽希君はそう言って正面から抱きしめてきた。

私はワインが零れないようにグラスを持ち
何とか耐えた。

(温ったかい。)

正面から抱きしめられるのはすごく恥ずかしいけど
胸の中に頭をスポッと埋めると
恥ずかしさを少しだけ減らすことができるってことが
やってみて初めて分かった。

「陽希君。このワインどう?」

陽希君の胸の中に居ながら会話がないことが
苦しくなってつい、全然関係ない質問をしてしまった。



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