仕事上手(?)で恋愛下手(!)
次に起きた時、窓から明るい光が少し差していた。

(先生、どこだろ…。)

私の隣りに寝ているものだと思った先生は
隣りにはいなかった。

静かにベッドルームのドアを開けて
リビングへ行ってみた。

先生のマンションはやっぱり広かった。
ベッドルームから廊下を少し歩いて
広いリビングダイニングがあった。

先生はそこにもいなかった。

病院から呼ばれて仕事に行っちゃったのかなと
ガッカリしていると、
ベッドルームの正面の部屋から
何か物音が聞こえてきた。

軽くノックして声を掛けた。

「先生…?」

ゆっくりドアノブを回して部屋の中に入ると
専門書にと英語の論文に囲まれて
パソコンと睨み合いをしている先生がいた。

「花菜。起きたの?」

先生は私の気配に気付いて後ろを振り返った。


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