仕事上手(？)で恋愛下手(！)

そんな相川さんの意向から、

私は旦那様を呼んで退院前のカンファレンスという名目で
一度話合いの場を設けることにした。

そして夕方、大和先生に報告をするために医局へ向かった。

「失礼します。お疲れ様です。

相談室の西村です。
大和先生にご報告があってお伺いしました…。」


大和先生が気が付いてくれて、
自分の席から軽く私に手を振ってくれた。

「花菜。コーヒーでも買って屋上で話そうか。
カンファレンスルーム空いてなくてさ。」

大和先生は申し訳無さそうに言って、席を立った。
私は大和先生へ相川さんとの話の内容を伝えた。



「つまり、離婚はしたくないんだね。」

大和先生は屋上の手すりにもたれかかりながら
持っていた煙草に火を付けた。


（煙草似合うなぁ。しょぼい百円ライターだけど…。）


前に大和先生から本当は使い捨てライターなんか使いたくないって
聞いたことを不意に思い出した。

ジッポだとオイルの匂いが手に付いてしまうから職業柄無理なんだって…。