仕事上手(？)で恋愛下手(！)

なんて、諦めてもらうように話すと、
大和先生は私のことをじっと見つめて、


「花菜と一緒に食事できれば何でもいいよ。」

と微笑んだ。
その笑顔がまたカッコ良くて私は心拍数が上がってしまった。


「大和先生、食事の話はまた後日で。

カンファレンスは3日後の土曜日でお願いします。

旦那様への連絡は、相川さんにお願いしときます。
夕方、お酒飲まない時間帯に毎日病室来てるって話でしたから。」

と手帳に予定を書き込みながら話すと、

大和先生が私のそばに寄ってきて、耳元で

「じゃ。お願いね。
食事のことも覚えといてね。」

と小声で話し、その次の瞬間に柔らかいものが頬に触った。

（…???ぇえ～!!!）

それが何だったのか分かるか分からないかのうちに

「じゃあね。花菜。」

と私の方を振り返らないで先生は去ってしまった。


（頬にキスされた…。）

大和先生が去ってから私はびっくりするやら、恥ずかしいやらで、
その場に座り込んでしまった。

（まだ、どきどきしてる。
でも、どうして私なんかに…？）

そんな疑問は残ったけど、何とか平常を装って私は相談室に戻った。