仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「おぇっ。」

「おい。もうちょっと我慢しろ。
喉の痛みにはこれが一番効くんだから!!!」

ともう1度喉の奥に綿棒が入った。
口の奥に入る耐え難い異物感に涙目になりながら耐えた。

「よし。良く頑張った」

と柏木は私の涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を
自分の服の袖で拭いてくれた。

「あ、ありがと…。でも化粧、うつるよ…。」

袖にうつってしまったファンデーションを見ながら、

「うわっ。本当だ。でも、しゃぁねぇか。」

と諦めたように涙をもう一度拭いてくれた。

「良い人だね。」

口からポロっと私の気持ちが出てしまうと、柏木は照れたようで

「お前のためじゃなくて、明日のカンファのため。
相川さんのことはオレも気になるんだ。」

とまた、いつものように憎まれ口を叩いた。


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