ホット☆ファミリー


よっぽど寒かったのか素直に階段を駆け上がった。


後から俺も上がり傘を閉じながら少女を盗み見る。


口をきゅっと結び、俺が来るのを待っていた。


少女はなんでこんな所にいるのだろう。

あの子は誰なんだ?

疑問ばかりが浮かんでくる。

なるべくゆっくりと少女の方に向かいながら考えた。
近所には彼女のような子供はいなかったと思う。

このアパートの大家の孫?

その線はありえるな・・・



ふと少女の足元にはぐっちょり濡れた大きなリュックが壁に立てかけてあるのに気づいた。



あっ・・・

リュック。


リュック?



まさか・・・!?



嫌な予感が背中をかけ上がる。


「・・・・・・家出・・・?」


今までずっと向けられていた視線がスッと逸(ソ)らされた。



「マジかよ・・・」


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