ホット☆ファミリー


急いで鍵を開け、中に入る。


狭いボロアパートの間取りはドアを開けるとすぐに台所になっていて、奥のたった一つの部屋は無理矢理箪笥(タンス)で二つに仕切られている。

その右側の方が俺の部屋で奥は風呂場へと繋がっていた。



風呂場からタオルを取り、俺の部屋を通ったついでに乾いたTシャツも持って外に向かった。


が、
思わず台所の手前で立ち止まってしまった。

「お、おまッ!!」

いつの間に入ったのか、少女が台所に立っていたんだ。

床はぽとぽとと落ちる少女とリュックの滴のせいで水溜まりが出来てしまっている。



なんてことしてくれるんだよ・・・
俺が掃除しなきゃいけないんだぞ?


げんなりとした表情で俺は水溜まりを見遣る。



少し腹立たしさをも感じるが相手は子供だ。

我慢、がまん。


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