ホット☆ファミリー


「寒い。」


初めて発せられた言葉に、俺は少女に優しくタオルをかけた。

「これで大丈「寒いッ!!」」

少女の瞳は何かを要求するかのように俺を見る。


「ココアでも飲「寒いッ!!!!」」

一体何をしてほしいんだ!!

寒いしか言わない少女の口は今や拗ねたように尖っていた。


「何をしてほしいの?」

「・・・・・・」

「風呂でも入る?」

「ん。」


試しに言ってみただけだったが。
風呂だったのかよ・・・


まぁ、子供だしいいか。
これ以上機嫌を損(ソコ)ねて大家にチクられるのも嫌だし。




とりあえず少女とTシャツを風呂場にほうり込むことにした。


もう、どうにでもなれ、だ。


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