ホット☆ファミリー
「なぁ、悠。」
悠とは俺のこと。
胡屋 悠(コヤ ユウ)という。
「ん?」
緑から少しずつ離れるように歩きながら適当に返事をかえす。
「なんかあった?」
ドキリとした。
緑は何も考えてなさそうに見えて、案外鋭い。
「・・・別に?」
不審げな視線をかわし、ホントになんでもない風に言う。
今の俺にはそう言うことしかできない。
ここ一ヶ月、無意識にヤツのことを考えている。
意地っ張りな俺は認める事なんてできない。
"あんなヤツ気にもとめていない"って強がる。
結局は話さないんじゃなくて話せないんだ。
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