【短編】message
僕は思いつく限りの質問をミナに浴びせたのだけど、まともに返ってきた答えは2つだった。

アサイミナという名前、探し物をしてるってことだけだ。

彼女が実在したのか、やっぱり僕の妄想なのか、確かめる材料としてはやや不足の気もした。
だが収穫があったことに変わりはない。

「ありがとう。お兄ちゃん、また来るからね。一緒に探してあげるよ。」

『うん・・・。』

携帯電話の小芝居をしながら彼女と話した時間は30分ほどだった。

彼女と別れた僕は図書館へと向かっていた。
わずかな手がかりでも、確かめてみる価値はある。
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