同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 水族館は、思った以上に楽しかった。

 それは水族館が久しぶりだったし、私は元々動物を観るのが好きだったからで、やたらとはしゃぐ陸が一緒だったからでは、決してない。と思う。


 水族館でかなりゆっくりしたせいか、帰りに都内に入ったのは、間もなく日が暮れようとする時刻だった。


「どこかで晩飯食って帰らないか? 腹減っちまったよ」 


「私も……」


 それもそのはずで、二人とも今日はまともに食事をしていなかった。


「よし、じゃあ何食べる? 和食か洋食か中華か……」


「そうね……、スバゲティ食べたいかなあ。サイゼあたりで」


「サイゼ?」


「うん」


「要するにスパゲティを食いたいんだな?」


「うん。陸は?」


「俺は腹に入るものなら何でもいい。腹減り過ぎて、目が回るよ」


 陸の言い方が可笑しいと言うか可愛いと言うか……、思わずクスッと笑ってしまう私だった。


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