同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
「サイゼでいいって言ったのに……」


 陸と来たのは、なんと都心の一流ホテルにあるブッフェだった。

 今、二人が向かいあって座るテーブルの上には、思い思いにお皿に盛った、美味しそうな料理が並んでいる。スパゲティもあったけど、他の料理に目移りしてしまった。


「そんな店知らねえし、ここなら駐車場があって来やすかったんだよ」


「でも、高いんでしょ?」


「何が?」


「料金」


「ああ。どうだったかな」


「割り勘ね?」


「いいって」


「嫌なの」


 水族館の入場料も陸が出してくれたし、考えてみたら私は今日、全くお金を使っていなかった。


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