同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 私と冬は、ビクッとして夏姉を見上げた。夏姉は、怖い顔で冬を睨んでいた。


 こんな夏姉、初めて見たかも……
 いつも穏やかで、まず怒った事のない夏姉が、怒鳴ったり睨んだりするなんて、どうしちゃったんだろう。


「年頃の女の子が若い男性の部屋に入るなんて、何かあったらどうするのよ? ましてパジャマ姿だなんて、せめて制服に着替えてからなら……」


 いや、夏姉。冬のスカートの短さを考えると、むしろ制服姿の方が危険って気がするな、私は。


「そういう不注意な事はもうしないで! 分かった?」


「うん、ごめんなさい、夏姉……ヒック」


 私は泣き出してしまった冬の頭を撫で、「夏姉はあんたの事を心配して言ってるんだから、ね、泣かないの?」と慰めてあげた。


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