同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 そんなある日の夜。私は帰宅すると、夏姉の元気がないような気がした。

 夏姉はいつものように私にご飯を出してはくれたんだけど、口数が少ないし、声に張りがなかった。おかずも、スーパーの出来合いの物ばかりだし。


「夏姉、もしかして具合悪いの?」 


 私はご飯を食べながら、向かいに座る夏姉にそう聞いてみた。

 テーブルに頬杖をついていた夏姉は、

「ううん、そんな事ないよ」

 と言ったものの、やはり表情は暗かった。


 具合が悪いんじゃないとすると、何か嫌な事でもあったのかなあ。
 あ、もしかして……


「陸と何かあったの?」


 私が陸の名前を出したら、夏姉はピクッと反応した。

 やっぱりそうなんだ……


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