【止】人生すごろく
帰り道。
私は電車に乗るために改札口に入った瞬間、
「南さん!!」
「あ、浅田君」
そのまま、浅田君も改札口を抜けて私の隣に来た。
「ねぇ、南さんはどうして軽音部に入ろうとしたんだ??」
「杏が昔ギターをちょっとかじったらしくって。
だから私はそれの付き添いみたいな感じ」
「杏??あぁ、あの女か」
そうだ!今なら杏もいないし聞いてみよう。
「浅田君はさ、どうして杏に冷たいの??」
「昔、僕は津田にいじめられた」
一瞬、時が止まったように感じた。
杏が浅田君を??
どうして…??
『浅田 昂希って知ってる??』
『気になってる』
杏は、浅田君のことを気になってると言った。
しかも、初対面のような言い方もしていたし。
「人違いとかじゃないの??」
「いや、僕はあの女にいじめられた」
「でも、初対面みたいな感じだったじゃん」
「僕も、どうしてそんな態度をとってきたのかは分からない」