【止】人生すごろく
昼休み。
「弁当食べに行こ!」
「いいよ」
杏と屋上に行く。
もう、これはこうれいの行事になっている。
もう、ずっと考えこんでいたって仕方がない。
分からないものは分からないんだから、思い切って聞こう。
「…あのさ、杏は前に浅田君のこと気になってるって言ってたよね」
「うん、言ったよ。あ、もしかして芽衣浅田が好きになっちゃったの~??
大丈夫だよ。私は今、浅田じゃなくてちゃんと好きな人がいるから!」
「え、いや、そうじゃなくて…」
「高木先輩」
「…え??」
「好きな人。内緒だよ!!」
「うん」
だめだ。完全に杏のペースに飲み込まれていってる。
「あのさっ!!」
私は大きい声を出して言った。
杏はびっくりしたように私を見た。