【止】人生すごろく
杏は少し黙ってから、
「先生も見てみぬ振りだったの。もう、誰にも止められなかった。
結局、それで浅田の母親は自殺。
それから、浅田君も変わっていった」
「変わっていったって??」
「浅田、そこからどんどんいじめているのに笑うの。
ずっと笑って、まるでいじめられてるのが楽しいかのように。
そこから、皆気味悪がって近づかなくなった」
「そうなんだ。どうして、杏はそのいじめてた浅田を、
気になってるって言ったの??」
「それは…」
杏がうつむいた。
「それは??」
「実はさ、芽衣が浅田と学校来たの見ちゃったんだよね。
で、どんな反応見せるかなって」
「…それだけ??」
「それだけ…」
それから急に杏が、
「ごめん!私、浅田にずっと謝らなかったし、本当に最低な女なんだ。
芽衣を試してたし、
皆と同じグループに居たくて、ずっといじめてた。
最初は抵抗あったけど、だんだん楽しくもなってきた。
これ聞いてさ、もう関わりたくなかった、関わらなくてもいいんだよ」
私は、杏に少し怒りを覚えた。
だけど…