I am セカンドガール
何事もなく時は過ぎ、あっという間に年末になった。

伸二は実家に里帰りしていた。

もちろん、育ててくれた祖父母の家へ…

お母さんとの関係は、あの時よりもよくなっているみたいだった。

自分の気持ちを伝え、私が言ったように、食事に行きながら距離を縮める事にしたらしい。

元通りにいかない事は仕方ない事なのしれない。

でも、少しでも心の距離が縮まればいいと思う。

母と子。

これは、紛れも無い事実で、受け止めなければいけない事。

話してみなければ、分からない事だってあると思う。

言葉の誤解、解釈の誤解だってあると思う。

自分が聞いていた事と、異なる事実だってあるかもしれない。

それに今なら……

大人になった今なら、母親の気持ちも少しは理解してあげられると思うから…


いくら、憎んでいても亡くなった後は悲しい。

話しておけばよかったなんて思っても、相手がいなければどうしようもない。

理解し合えなくても、ちゃんと話し合っていれば、少なくとも、そんな後悔しなくてすむだろうから…


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