桜の約束
第一章
出会ったんだ、君に
桜の木の下、一人で目を閉じる。
「恋ができますように」
桜の木にお願い事をしてみた。
「恋ってなんなんだろうね?」
桜の木に問いかけてみた。
もちろん返事はないのだが。
なんか、答えてくれる気がして…。
ガタン
小さな物音がした。
その音の方へ顔を向けると、一人の男子高校生がいたのだ。
イヤホンを耳に付けたまま、ベンチに横になって、気持ち良さそうに眠っていた。
私の独り言を聞かれてしまっただろうか?
「寝てたから聞こえてない…よ…ね?」
ポジティブに考えよう。
もう一度ベンチの方を向いてみる。
「泣いてる…?」
彼の頬に涙が伝っていた。
嫌な夢でも見たんだろう。
まぁ、彼がどうあれ私には、関係ないのだ。
「早いかもしれないけど学校行くか!」
軽く伸びをして、桜の木と男子生徒がいる公園を後にした。
学校に着くと、いつも通りの友達と挨拶を交わした。
「沙和おはよう!」
「美咲おはよ~」
美咲こと、島田美咲。
私の一番の親友だ。
ちなみに、席が前後で近い。
「沙和遅刻ギリギリだったね」
教室の時計を見ると9時1分。
自分の腕時計を見ると7時57分。長針も短針も止まっている。
「あっ…」
美咲が私の時計を覗き込む。
「あれま~」
ガラッ
教室のドアの開く音がして、先生が入ってくる。
「転校生を紹介をします」
なんの前触れもなかったため、生徒がざわつく。
「入っていいよ」
教室に入ってきた。
「え…」
その顔に驚いた。
さっき、公園にいた人と同一人物だった。
「知り合い?」
驚きのあまり、つい口にだしてしまった声に反応した美咲がこちらを振り返り不思議そう
な顔をして問いかけた。
「あ…ううん…知らない」
知り合いというほどでもないだろう。
しかも、相手は知らない…はず…だから…。
「そっか」
そうして、転校生に再び目を向ける。
「青野裕です…よろしくお願いします…」
転校生が自己紹介をさっさと済ませ、勝手に空いている席に座った。
自分の席は、廊下側。
転校生の席は、窓側。
反対側だった。
しばらく、彼を観察してみた。
黒髪で、細身で、平均身長よりも身長は低そう。
前髪が長くて顔がハッキリとよくわからない。
今日、出会ってしまったのです。君と。
「恋ができますように」
桜の木にお願い事をしてみた。
「恋ってなんなんだろうね?」
桜の木に問いかけてみた。
もちろん返事はないのだが。
なんか、答えてくれる気がして…。
ガタン
小さな物音がした。
その音の方へ顔を向けると、一人の男子高校生がいたのだ。
イヤホンを耳に付けたまま、ベンチに横になって、気持ち良さそうに眠っていた。
私の独り言を聞かれてしまっただろうか?
「寝てたから聞こえてない…よ…ね?」
ポジティブに考えよう。
もう一度ベンチの方を向いてみる。
「泣いてる…?」
彼の頬に涙が伝っていた。
嫌な夢でも見たんだろう。
まぁ、彼がどうあれ私には、関係ないのだ。
「早いかもしれないけど学校行くか!」
軽く伸びをして、桜の木と男子生徒がいる公園を後にした。
学校に着くと、いつも通りの友達と挨拶を交わした。
「沙和おはよう!」
「美咲おはよ~」
美咲こと、島田美咲。
私の一番の親友だ。
ちなみに、席が前後で近い。
「沙和遅刻ギリギリだったね」
教室の時計を見ると9時1分。
自分の腕時計を見ると7時57分。長針も短針も止まっている。
「あっ…」
美咲が私の時計を覗き込む。
「あれま~」
ガラッ
教室のドアの開く音がして、先生が入ってくる。
「転校生を紹介をします」
なんの前触れもなかったため、生徒がざわつく。
「入っていいよ」
教室に入ってきた。
「え…」
その顔に驚いた。
さっき、公園にいた人と同一人物だった。
「知り合い?」
驚きのあまり、つい口にだしてしまった声に反応した美咲がこちらを振り返り不思議そう
な顔をして問いかけた。
「あ…ううん…知らない」
知り合いというほどでもないだろう。
しかも、相手は知らない…はず…だから…。
「そっか」
そうして、転校生に再び目を向ける。
「青野裕です…よろしくお願いします…」
転校生が自己紹介をさっさと済ませ、勝手に空いている席に座った。
自分の席は、廊下側。
転校生の席は、窓側。
反対側だった。
しばらく、彼を観察してみた。
黒髪で、細身で、平均身長よりも身長は低そう。
前髪が長くて顔がハッキリとよくわからない。
今日、出会ってしまったのです。君と。
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