桜の約束
名前を呼んでほしいんだ、君に
駅のホームで、美咲と別れて、家の方向に歩た。

信号が点滅して、急いで横断歩道を渡り終えると、

転校生の…青木?の姿が見えた。

青木は、こちらに気がつくと微笑んだ。

こんな顔もできるんだ…

悪い人では、無いのかな…

とりあえず声をかけることにした。

「青木くん!どうも!」

明るく、笑顔で言ってみた。

青木は、クスクスと笑い始めた。

「青野ですよ」

「えっ、あっごめん!」

焦って早口になった。

「あと、裕でいいですよ?」

「じゃあ、私のこと沙和って呼んでいいよ」

「あと…敬語じゃなくていいよ?」

また、微笑んだ。

「わかったよ沙和」

胸が高鳴った。

「じゃっ、じゃあまた明日ね!…ゆ…う…」

照れる。

顔が赤くなっていないか心配になった。

「またね」

裕は、私に背を向け私の帰り道の反対側へと進む。

少しガッカリしている自分がいる。




もう一回声を聞きたいと思った。


もう一回名前を呼んで欲しいと思った。



こう、思うのは何故ですか?






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