初恋はヤンキーくんと‐Special‐
「…俺はずっと夕衣しか見てねーから」
抱き締められたままそんなことを囁かれるとあたしはさらに真っ赤になってしまって。
だけど、チラッと大翔を見てみると大翔の頬もほんのり赤くて―…
「……ふふ。」
「…何笑ってんだよ」
なんだかすごく幸せで、無意識のうちににやけてしまったあたしを大翔が不思議そうに見つめる。
「大翔だーいすきっ!」
あたしがそう言って大翔にぎゅうっと抱き着くと…頬にちゅっとキスがひとつ落ちてきた。
「…んなのとっくに知ってるっつの」
…何を心配してたんだろう。
心配することなんてなにもなかったのに。
大翔は何も変わってなくて…あたしもずっと変わらずに大翔を大好きだった。
…ただ、それだけだったのにね?