初恋はヤンキーくんと‐Special‐
「なあ。彩乃」
「んー?」
「んー?…じゃねえよっ!」
俺、美村夕翔(ミムラユウト)。
今、すげーイライラしてる。
そのイライラをぶつけるように、俺は隣にいた彼女の中林彩乃(ナカバヤシアヤノ)を参考書でバシッと一発叩いた。
「いったぁー…何すんの?…っていうか何怒ってんの夕翔…」
「…お前はここがどこだか分かってんのか?」
「………夕翔の部屋でしょ?」
「ああ、そうだよなあ。そんで、お前はなんで彼氏の部屋に来てまで勉強してんだよ…」
「……か、彼氏とか急に言わないでよっ!」
「今そこ照れるとこじゃねえだろうがっ!!」
…なんだコイツ、可愛いのか可愛くねーのか分かんねえ…。
俺はそんなことを思いながら小さく溜息を吐き出した。