初恋はヤンキーくんと‐Special‐
「……………はぁ」
あたし森川夕衣。
この前大学に入学して、大翔と甘くて幸せな大学生活を送る、はず―――…だったのに。
何故あたしがひとり寂しく溜息なんかついてるかというと―…
「美村くんってさー、彼女とかいるのっ?」
「もてそうだよねー、同じ高校だったらよかったのに!」
「ねぇ美村くん!来週の日曜日って暇かなあ…?」
…なんてわざわざ離れた席を選んだにも関わらず思いっきり聞こえてくる声。
……そりゃあ…なんとなくは想像してたよ?
中学校の時も高校の時も大翔は結構人気あったしさあ…。
でも……まさか大学でここまでもてちゃうとは………っ!
まだ入学したばっかりだからみんなあたしが大翔の彼女だって知らないし(予想もつかないだろうけど)、引っ込み思案な性格のせいかなんだか友達もできないし…。
もしかしなくてもあたし…取り残されてしまったのでは……?