初恋はヤンキーくんと‐Special‐
―――次の日。
「夕翔はよー!なんか元気なくね?中林と喧嘩したとか?」
教室に入るなり、友達の風間陸斗が話しかけてきた。
…つーかなんで分かんだよ。
「ははっ、何も言わねーってことはマジだ?俺すっげぇ。で、何があったんだよ?」
「……面白がってるやつには言わねー」
「はぁ?面白がってねぇよ、俺は親友のためを思ってだな…」
「お前が言うほど胡散くせーことはねぇよ」
まだぎゃんぎゃんと陸斗がうるさかったけど、俺はすべて無視して教科書を机に詰め込んだ。
「ったく、冷てーよなぁ夕翔は。…まぁ、慣れてるっちゃ慣れてるし別にいいけど。それより、中林来たぜ?」
「…」
不覚にも陸斗の言葉にピクリと反応してしまい、俺はドアの方に目を向けた。
「…あっはは、やっぱ気にすんじゃん!何だかんだ言って、夕翔って中林のこと好きだよなぁ」
…………すげー不覚だ。
俺は心の中でそう呟きながら、我が親友を軽く睨みつけた。