初恋はヤンキーくんと‐Special‐
だけど、陸斗の言葉は嘘じゃなくて、確かに彩乃が教室に入ってきた。
そして、次の瞬間にばっちりと合ってしまった視線。
「…よ、よぉ」
逸らすのもなんか変かと思って、俺は片手を上げてそう挨拶をした。…なのに、だ。
「………お、おはよ」
返ってきたのは、歯切れの悪い挨拶…だけじゃなく、アイツは俺と目も合わさずに自分の席の方に行っちまいやがった。
「…ぷっ。中林めっちゃ怒ってんじゃん!なぁ、お前マジで何したの?」
ゲラゲラと笑いながら俺にそう聞いてくる陸斗。
「知らねーよ!何もしてねぇっつの!」
俺は腹いせに陸斗をきつく睨みつけながら彩乃に聞こえるくらいの大きさでそう言った。
つーかなんでそんなに怒ってんだよ。
………昨日のがそんなに嫌だったのか…?
あー、クソ…。
意味わかんねぇ…