初恋はヤンキーくんと‐Special‐
「……そ、れは………夕翔が変なこと言うから恥ずかしくて顔を見合せられなかっただけで無視とかでは………」
「………………………は、?」
あまりにも予想を上回る答えに俺はしばらく固まった後にすっとんきょうな声を出した。
…変なこと、………って昨日のアレか…?
「…………………おま、………もう少し可愛くて分かりやすい照れ方できねーのかよ…。」
「夕翔にたくさん構ってくれる元カノさんたちと違って可愛くなくて悪かったですね…!っていうか元はと言えば夕翔が悪いんでしょ…っ」
「………勉強ばっかしてるお前がわりぃ」
顔を真っ赤にさせて俺を睨んでくる彩乃が可愛くて、俺は思わずケラケラと笑った。
どんなに可愛くなくて分かりにくくても、俺にとっては彩乃だけが可愛く見えるんだよ、────なんて、今日一日無視した仕返しに絶対に口にはしてやんねーけど。
心の中で密かにそう思った俺は、きっと彩乃が思ってる以上に、そして自分が思ってる以上に彩乃のことが好きなんだろう。