初恋はヤンキーくんと‐Special‐
なんだかなぁ。
大翔と一緒にいれて楽しいんだけど、やっぱり愛華たちがいた高校の時の方が楽しかったなぁ、なんて。
同居してるからまだいいけど1日のほとんどは学校だし、…学校で一緒にいる時間は減った気がするし。
そんなことを思いながらあたしは小さく溜息をついた。
――その時、
「ゆーいちゃんっ!溜息なんてついてどうしたの?幸せ逃げちゃうよー?」
って声がしたかと思うとまたぎゅうっと後ろから抱きしめられた。
「ゆゆゆ…っ優奈ちゃん…!!?!」
あたしがぱっと振り返ると…そこにはなんだか懐かしい優奈ちゃんがいて。
「な、なんでここに…!?てか、学校は…??」
かなり驚いてしまったあたしがぱくぱくと口を開閉させながらそう問いかけると優奈ちゃんはにこっと笑ってあたしから離れあたしの隣に座った。
「今日はお休みなんだー♪だから久しぶりに大翔と…ついでに夕衣ちゃんに会いに行こうと思って!」
「……あたしはついでなんだ。」
思わず笑顔が引き攣ってしまう。
優奈ちゃんは仲良くなればなるほど素を見せてくれるというか…。
まあ、今のも冗談なんだろうしあたしが思ってたよりずっといい子なんだってことも分かってきた。