ブラウン管の中の彼女


「間宮君かっこいい――っ!!」


僕は自分自身を呪った。


実早ちゃん……元気じゃないか!!


「なあ間宮…あれって噂の…」


「部長、顔を向けないほうが身の為です」


昼休みから時間が経ち、時刻はすでに放課後。


僕にとっては部活動の時間だ。


実早ちゃんはよりにもよって…

僕の部活動姿を見学したいと言ってここまでこっそり(?)ついてきたらしい…。




「……お前、妙に懐かれてんな…」


剣道部の部長である畑野先輩は僕にこっそりと耳打ちした。


「……同じクラスでたまたま学校案内したらこうなっちゃったんですよ。ほら、彼女転校したばかりだから親しい人もいないし」


もっともらしい理由をでっちあげて畑野先輩からの追究を免れる。


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