ブラウン管の中の彼女


絶対秘密だって言ったじゃないか!!


なんで自分から疑われるような行動をとるんだ――っ!!


僕はもうやけになって竹刀を振る。


集中集中!!


「もしよかったら中に入って見学しない?」


集中…って…え!?


「外からじゃよく見えないでしょ?」


ニコッと笑って部長が実早ちゃんを武道場の中へと促す。


「でも邪魔はしたくないし…」


さすがの実早ちゃんも躊躇っているようだ。


「いいよな?間宮?」


いいもなにも…もう招き入れる準備は万端じゃないか…っ…!!


部長やそのほかの部員は椅子やらスリッパやらを用意していた。


「ドウゾ…」


男所帯だから女の子に飢えているのもわかる。


僕の意思は完全に無視されていた。


< 105 / 280 >

この作品をシェア

pagetop