ブラウン管の中の彼女


「やだな~間宮君だって隠してたじゃない!!」


ニコニコと笑いながら彼女は太一のすねをおもいっきり蹴った。


「いって――っ!!」


太一は蹴られたすねをさすった。


「相変わらず太一に容赦ないね…」


呆れるような口調の祐ちゃん。


えっと…。


話についていけないのは実早だけ…?


「ねえ、祐ちゃん…」


ぐいぐいと袖を引っ張る。


「わかるように説明して…?」


そう言うと祐ちゃんではなく灘さんが近づいてきた。


「あたしのこと覚えてない?」


首を傾げながら自分のことを尋ねる。


覚えているも何も初対面だと思うんだけど…。


心の声を読み取ったのか灘さんはクスッと笑った。


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