ブラウン管の中の彼女


「ふ~ん…みーちゃんってば大胆なことしたね~」


いーちゃんは机に頬杖をついて感心していた。


そこは感心するところじゃないと思うけど…。


そう思って顔を膨らませているといーちゃんがふふっと笑った。


「変わらないなあ…」


「へっ?」


「昔からみーちゃんは祐君の話をすると膨れっ面になるってこと」


いーちゃんは尚もこみ上げてくる笑いを堪えていた。


その目にはうっすら涙がにじんでいた。


なんかバカにされてる気がする…。


「そうやって祐君にも迫ってるんでしょ?」


いーちゃんは涙を拭いながら図星を突いてくる。


「悪い?」


実早は開き直った。


「いや、祐君がかわいそうだな~って思って」


ドクンと心臓が大きく鳴った。



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