ブラウン管の中の彼女
THIRD*STEP



「はっ?」


朝から突拍子もないことを聞かされ僕の頭はパンク寸前だった。


「だから今日、樺摘(かつみ)が来る」


コーヒー片手に何てこと言い出すんだ、この人は!!


「冗談だよね…?」


「冗談だと思うか?」


いや、基本的に母さんは冗談を好まない。


「じゃあホントに…?」


「さっきからそう言ってる」


母さんはトーストを無理やり流し込んだ。


「じゃああとよろしく」


慌しく出かけていくその背中を見送る。


「いってらっしゃい」


本日の帰宅時間、1時間。


ホントに忙しいんだなこの人たちは。


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