ブラウン管の中の彼女
僕の父さんと母さんは医者で毎日忙しい。
基本的には典型的な仕事人間らしく、普段は家に帰るのも惜しいと言って病院に寝泊りしているらしい。
それが帰ってきて突然、樺摘が来るって…。
そんなのないだろう…!?
僕はガチャガチャと食器を洗いながら母さんの理不尽な宣告に頭を悩ませた。
今から学校行って…買い物して…うわ!!掃除もしとかないと怒られる!!
樺摘さんに最後に会ったのは中学生の時だったから、かれこれ半年振りだ。
前回来た時は掃除がなってないって言われて散々いたぶられた…。
今回はぜひとも無事にやり過ごしたい…。
放課後が来なければいいと心から思ったのは初めてだった――…。