ブラウン管の中の彼女


急がないと!!


ミーティングを終え、慌てて昇降口へと向かう。


母さんは樺摘さんが来る時間までは言わなかったから、もしかしたらもう来ているかもしれない。


樺摘さんを“待たせる”なんて恐ろしい…!!


あとから何されるかわかったもんじゃない。


しかし次に飛び込んできた光景に僕はがっくりと肩を落とした。





校門には女子生徒の人だかり。


その中心にいる人物は…。


間違いない。


樺摘さんだ。


その綺麗過ぎる顔を隠すには不十分なサングラス。


ホストかと間違えそうなスーツ姿。


そして、やたら高そうな車。


以上、樺摘さんだと断定する全要素。





< 137 / 280 >

この作品をシェア

pagetop