ブラウン管の中の彼女
急がないと!!
ミーティングを終え、慌てて昇降口へと向かう。
母さんは樺摘さんが来る時間までは言わなかったから、もしかしたらもう来ているかもしれない。
樺摘さんを“待たせる”なんて恐ろしい…!!
あとから何されるかわかったもんじゃない。
しかし次に飛び込んできた光景に僕はがっくりと肩を落とした。
校門には女子生徒の人だかり。
その中心にいる人物は…。
間違いない。
樺摘さんだ。
その綺麗過ぎる顔を隠すには不十分なサングラス。
ホストかと間違えそうなスーツ姿。
そして、やたら高そうな車。
以上、樺摘さんだと断定する全要素。