ブラウン管の中の彼女
叔父さんは…樺摘叔父さんは…僕にとって兄のような存在だった。
都合のつかない両親の代わりに授業参観にも、三者面談にだってでてくれた。
僕の夢だって笑わないで聞いてくれた。
そうだ。
僕は何だかんだ言って樺摘叔父さんが大好きなんだ。
叔父さんはいつだって僕が間違った道に行かないように導いてくれた。
支えてくれた。
だから昔から樺摘叔父さんの言うことは聞いてきた。
叔父さんの言うことは絶対だ。
でも今回は―…。
今回は叔父さんの言うことは聞けない。
僕は誰もいなくなったリビングでひとり、唇をかみ締めた―…。