ブラウン管の中の彼女
吉崎樺摘が祐ちゃんの家に転がり込んで早2週間が過ぎた。
隣の県にいるはずの奴は研修だとかなんだかでしばらくこっちにいるらしい。
当然その間は祐ちゃんのうちに居候。
自然と潰される祐ちゃんと実早の時間…。
ホントに…
「死ねばいいのに…」
「実早さん!!」
実早の呟きは香川ちゃんの両手によって塞がれた。
「もう!!誰かに聞かれたらどうするんですか!?好感度が下がりますよ!?」
「誰も聞いてないわよ!!」
ギャーギャーと騒いでいると控え室の扉が開いた。
「うるさいわよ!!実早!!」
ママは腰に手を当ててそれこそ顔を鬼のようにさせて睨んだ。
「スミマセン…」
「ホントに落ち着きのない子なんだから…」
ママは頬に手を当ててほうっとため息をついた。