ブラウン管の中の彼女


「きゃ――っ!!生“KATSUMI”だ!!」


香川ちゃんはハートを撒き散らしながら実早を押しのけた。


なんですか?その生カツオみたいなネーミングは?


「こんにちは」


樺摘がそう言うと香川ちゃんはもうとろけそうになっていた。


こいつ…っ!!


実早以外の女には愛想振りまきやがって!!


「実早、もう知ってると思うけどこちら吉崎樺摘くん。“KATSUMI”ってほうが名前としては知られているかしら?」


KATSUMI…。


なんか聞いたことあるかも…。


「香川ちゃん説明してあげて」


うろ覚えもいいところなのを悟ったのか、ママが香川ちゃんに解説を促す。


ハッと夢の世界からお帰りあそばされた香川ちゃんは慌ててシャキッとなった。


< 152 / 280 >

この作品をシェア

pagetop