ブラウン管の中の彼女


「KATSUMIさんはかつて伝説にもなったほどの超スーパーウルトラ人気モデルです。5年前に芸能界を引退してからもその人気は衰えることを知らず、現在も根強い人気を誇っています」


自衛隊員のように敬礼をしながら流れるように言葉を発する。


「よろしい」


ママは満足げにうなずいた。


「今日はKATSUMIがゲストよ。実早?く・れ・ぐ・れ・も!!バカなことを言わないようにね!!」


マジっすか!?


「芸能界引退したのに何で実早の番組にでるのよ?」


実早は樺摘を睨んだ。


「この間ばったり家の前であったんだよ。昔、お世話になってた恩ってやつ?」


「そうそう。樺摘くんってばしばらく会わないうちに男を上げちゃってさ~♪ピーンときたのよね~!!」


ママは樺摘の肩をバシバシと叩いた。


な~にが“ピーンときた”よ!!


こっちは迷惑以外の何者でもないわ!!


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